古染付と新渡染付

更新大幅が大幅に遅れてしまい申し訳ありません。

古染付と新渡染付

陶磁器収集家の皆さまは古染付と新渡染付というのを聞いたことがあるでしょうか?
今回のテーマはこの2点について詳しくやっていきたいと思います。

古染付
古染付の誕生の背景
まず、古染付誕生の背景についてです。
古染付の誕生は中国の明末~清初という時代に誕生した焼物の種類です。この時代は多少ズレが有りますが、万暦帝という明の皇帝が崩御した後、1620年から明朝崩壊1644年までを明末清初といいます。

明神宗.jpg

明史には「明は万暦に滅ぶ」という言葉があり、そのことば通り明は衰退期に入っていきました。官窯と民窯の記事で書いたように王朝の衰退期には官窯の作った物でも歪みや、染付の部分が間違っているということがあります。

この1620~1644年の間は明も女真族の侵攻、豊臣秀吉による朝鮮出兵、倭寇が度々港を襲われることがあり、また明の朝廷内でも王宮内闘争が絶えなかったそうです。そのため明は財政難、政治的指導者がいないという状況に陥ってしまいました。

明王朝はこのような状態で官窯を維持することが出来ませんでした。
官窯の職人達は顧客を富裕層や民間、外国人向けの輸出陶磁器を焼きはじめました。
種類を大きく分類すると芙容手、祥瑞、古染付、呉須赤絵・染付、南京赤絵です。     今回の主題である古染付と祥瑞は日本向けに作られた物でした。

青花白磁花鳥文大皿

西欧向けに輸出された芙蓉手   トプカプ宝物殿収蔵

「祥瑞 五島美術館」の画像検索結果

日本向けに輸出された 五島美術館  収蔵 祥瑞二段捻鉢

東京国立博物館所蔵 古染付高砂手花生

古染付の始まり
古染付の始まりは明の天啓時代に作られた天啓染付という陶磁器が始まりです。その後古染付が誕生して、その進化系が南京赤絵でした。南京赤絵があるなら南京染付もあるの?と思う方がいるかもしれませんが、南京染付は古染付の古い呼び名のことを言います。

古染付の魅力
古染付の魅力は江戸時代の茶人がその作為を感じさせない所であり、絵付けなども自由滑脱な所や、「虫食い」と呼ばれる釉薬の収縮率によって起こる口縁部分や角部分の胎土が見える現象を虫が食ったように見える現象が親しまれてきました。

虫食い

古染付の西欧評価
古染付の評価について何ですが、本来このような「虫食い」と呼ばれる現象は日本人独特の感性であり、西欧などは、手抜きをしていると思われることなどが多く、あまり好まれませんでした。その為西欧などでは芙容手のほうが人気でした。現代でも美術館などの有名な物や価格帯などもあまり高額でない所なども魅力の1つです。また種類も豊富で小皿や文鎮、茶碗、香合、水指、花生けなどがあります。

祥瑞について
古染付が評価されるにしたがい、ありきたりな図柄や模様などでは飽きられるようになりました。その中で当時は印象に残る作品を残した陶工がいました。それが五良祥瑞大夫という人物です。この陶工はまだわかっていないことが多く日本人なのか中国人なのかも意見が分かれています。ざっくりと説明しますと明末の景徳鎮の陶工で作品には「五良太夫祥瑞」という銘款が入っています。また、特徴としては亀甲紋、紗綾形紋、七宝紋、格子文などの模様が描かれているのが特徴です。

「亀甲文様」の画像検索結果

亀甲紋様

「更紗文様」の画像検索結果

更紗紋様

「七宝文様」の画像検索結果

七宝紋様

「格子文様」の画像検索結果

格子文様

また、染付だけではなく、赤や緑などの絵付けが施された色絵祥瑞という物もあります。

五彩花鳥文輪花盤 銘「大明嘉靖年製」     色絵祥瑞  京都国立博物館 収蔵

この祥瑞の作品はネットオークションなどで見る物などは6割が偽物で、本物は博物館や美術館などに納められています。また、後世にも伊万里や京焼で写しがかなり作られているため一概に全てを偽物というのは難しい所です。

新渡染付
江戸時代初期に入ってきた物を古染付と呼ぶのに対して、江戸時代後期に入ってきた物を新渡染付と呼びます。清朝で言うと嘉慶~道光(アヘン戦争)前後あたりです。高台裏に「嘉慶年製」、「道光年製」と銘款が入って物などです。

新渡染付誕生の背景
新渡染付は明王朝から清王朝に代わって出来た焼き物です。清は日本や西欧に対して輸出磁器を多く作っていました。そこで日本の注文で作られたのが新渡染付でした。

新渡染付の評価
この新渡染付なのですが、すみません。私の情報不足です。^_^; 焼き物で古染付と違い美術館や博物館でもあまり見ることがありません。私個人の意見としては古染付の中に紛れているのではないかなと思います。

古染付、祥瑞、新渡染付の日本の影響
最後に古染付と新渡染付は日本に多くの影響を与えました。例えば、先程説明した日本への輸出品である呉須赤絵や古染付は青木木米、奥田穎川などの京焼の名工の手本として、いくつかの写しが作られました。また、日本の骨董業界においても古染付や新渡染付は高評価を受けていますし、また、先程も書いたように古染付や新渡染付は日本には結構数が残っているため買いやすく、種類もあるため飽きないと思います。
個人的にも古染付にある、自由滑脱な絵柄や、窯傷や虫食いなどは親しみを感じる物があります。
また、次回日本の藩窯①鍋島焼について紹介したいと思います。

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